まちなかフェスの理想形。ONE MUSIC CITY Vol.2

アジアン音楽

山麓園太郎です。サワディーカップ。

タイのSafeplanetというバンド。「キラキラして透き通るギターサウンドに透き通る歌声が乗り、メロディーはどこかオリエンタル」っていう、薄い色のカクテルで和菓子を食べてるみたいな例えですが、先日発売された日本盤アルバムのアートワークはまさしくそんなシーンを描いたものです。

SPACE SHOWER MUSICから2019年10月2日リリース。13曲+ボーナストラック3曲収録。右はタイ・オリジナル盤

そんな彼らの来日公演が青山・月見ル君想フで行なわれ、それは他に4組が出演する「ONE MUSIC CITY Vol.2」というフェスでした。

元となる「ONE MUSIC CAMP」は兵庫県三田市のキャンプ場で2010年から毎年開催されている野外フェス。2016年に出演したCounterclockwiseというタイのオルタナロックバンドを、同じ頃ラジオ番組で紹介した縁でこのフェスのことを知りました。このフェスのムードを、まちなかで再現しようというのが今回の「ONE MUSIC CITY」なんです。

Safeplanet以外は聴いたことがないラインアップでしたが、これがどれも良くてすっかり満喫しちゃいました。

吉田ヨウヘイgroup

いきなりプログレのような変拍子と音程跳躍のリフでスタート。メロディーを歌いながらリズムもフレーズも全く違うギターを弾くリーダーのマルチタスクっぷりが同じギター弾きとしては羨望

金佑龍(キムウリョン)

ルーパーとエフェクターを駆使した「ひとりバンドサウンド」に乗せるシャウトと、繊細なギターの鳴らし方に1曲目から持って行かれました

Maika Loubté(マイカ・ルブテ)

日仏ハーフのトラックメイカー。ポップなエレクトロのトラックに、キュートでスーッと伸びるヴォイスが乗る心地良さ。Polycatのアルバム「土曜日のテレビ」中の1曲で作詞を担当していたから名前だけは知ってましたが、いきなり大好きに。アルバム買お。
それにしても「幽遊白書」Tシャツが似合う(笑)

林以樂 (リン・イーラー)

台湾ポップスファンには雀班(freckles)、SKIP SKIP BEN BENでの活動も良く知られています。今回はソロ。バックトラックを使ったりシンプルな弾き語りスタイルもありのセット。ジャンル超越感

Safeplanet

Alien (guitar&vocal)
Yii (bass&chorus)
Doi (drums)
Alien君のギターは世界のトップギタリストが愛用するPaul Reed Smith。音がよく伸びるギターで、音を歪ませないクリーントーンを使ってサポートギター(こちらもクリーントーンが綺麗に出るフェンダー・テレキャスター)とのアンサンブルを作っています
そして足元は2人揃って最新鋭のフロアマルチ「Kemper Profiler Stage」!1台20万超えの高価な機材です。これでギターからの音に残響などの処理を施した後、ギターアンプを使わずPAに直接送っています。バンドの特徴である「澄み切って浮遊感のあるサウンド」を出すための妥協の無い信念がうかがえます

全5バンドで約4時間!台湾ビールも魯肉飯も美味しくて大満足!いいフェスでした!

山麓園太郎
山麓園太郎

と、ここで「お?じゃあ今度フェスご一緒しますか?」なんて言ってくださる方には先に謝りながら白状しますけど・・・

実は普段、野外フェスは敬遠しています。まず立ちふさがってるのは加齢による衰えですが(笑)
足腰が弱い(ステージ移動は苦行)
2日目以降は屍(踊った後は筋肉痛)
雨に弱い(足が濡れるとすぐ風邪をひく)
雨にとても弱い(髪型が)(ご覧の通り)
日差しに弱い(すぐクラクラする)
虫が嫌い
人混みが嫌い(+人見知りでフェス友が作れない)
そもそもアウトドア/キャンプ属性がない(外が嫌い)

・・・身も蓋もないとは正にこのことです。フジロックなんてきっと一生縁がないでしょう。タイの野外フェス Cat Expo だけは第3回から皆勤賞ですが、大好きなタイポップスを現地で聴くという特別興奮する状況だから乗り切れているだけだと思います。

それでも、こんないいライブを見せられると元の「ONE MUSIC CAMP」もやっぱり気になってくるし、都心の1会場だけで各国のバラエティ豊かな音楽に触れられて、天候に左右されず快適で、終わったら電車で帰れるこの「ONE MUSIC CITY」は数あるまちなかフェスの中でも、理想のかたちでした。会場である「月見ル君想フ」の良さも大きかったと思います。お店はビルの地下1階、ステージは地下2階になるんですが、店内に入ると実質そこが2階席。背の低い女性の方にはこちらからの方がステージと演奏者が良く見えます。逆にこの構造のおかげで1階は天井が高く、開放感のある空間が広がります。飲食カウンターは1階。物販ブースと自販機とトイレは2階。実際この日も、お客さんたちは1階と2階を行き来して楽しんでいました。

終演後に全員集合。出演者同士の交流もあり、アジアの音楽が繋がりあう現場を見た温かいひとときでした

会場ではブログ読者さんに声をかけて頂いたりして大変光栄でした。また、今回のフェスの主催の方や関係者の方々、特にタイポップス普及に関しては神様クラスの活動を何年も前から続けてくださってる凄い方(僕の活動なんて吹けば飛ぶようなもんです・・・)にもご挨拶ができて、帰り道で「まぁ、吹けば飛ぶんだから、飛んだ先でできる事をするしかないよなぁ」と前向きに開き直った次第です。

では、出演順にMusic Videoをご紹介します。

Safeplanetのアルバム「セーフボーイズ」の情報ページ。バンドのことだけではなくタイの音楽シーンのこともわかる解説文と歌詞対訳が付いた素晴らしいアルバムです。ぜひ1枚お手元に!

SPACE SHOWER MUSIC (スペースシャワーミュージック)
SPACE SHOWER MUSIC (スペースシャワーミュージック) の公式サイト。SPACE SHOWER MUSIC(スペースシャワーミュージック)は、株式会社スペースシャワーネットワークの音楽レーベル&マネジメント部門です。

 

 

山麓園太郎
山麓園太郎

さて、ここからはおまけです。

1:東京で1泊した僕は、タワーレコード新宿店でレコードを掘り、Safeplanetの日本盤を買い、先日映画「ホームステイ」の先行上映会があった新宿武蔵野館に出直してパンフレットを買い、月見ルで会った読者さんから贈られたZINE「タイ的音楽備忘録#1」を読みながら帰りました。

2:Safeplanetのメンバー達とはCat Expoでも会っており、終演後に話す時間がありましたが、ギターのAlien君は大学でジャズを学んだそうです。驚いたのは彼が、ギタリストとしての僕の活動までSNSでチェックしてくれていたことでした。結局ギタリスト同士、お互いのことが気になる性なんですね(笑)いつか一緒に楽器屋に行ってみたいなぁ。

国境を越えて、良い音楽が交差するフェス「ONE MUSIC CITY」、次回は皆さんもお見逃しなく!

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