タイのポップスターと雑談する – Na (POLYCAT)

タイ音楽

山麓園太郎です。サワディーカップ。
バンコク・シティ・ポップを代表するバンドPOLYCATのメンバーNaとプライベートでランチを食べた話を投稿しましたけど、ランチ中に何を話してたのか気になってる方が多いみたいなんです。今回はそれを書きましょう。

これまで買い物か音楽フェスをターゲットに、主に4泊5日の弾丸旅行ばかりしていた僕と社長にとって、2週間の滞在は実に有意義でした。フェス会場で慌しく、ではなくこうやって落ち着いて仲の良い友人と過ごせましたから。

僕は家にレコードプレイヤーがあるので、地元のデパートで中古レコードのバーゲンなんかがあると出かけて買ってくるんです。CDで持ってるけどアナログで聴きたい、とかね。でも整理整頓が苦手なので、部屋が散らかってくると時々処分の必要に迫られます。

そんな時僕はブックオフでもメルカリでもなく「タイに運ぶ」んですね。本でもレコードでも。それで「この人にピッタリだ」と思う人にあげちゃうんです。特にミュージシャンにあげたりすると、それが新曲のヒントになったりして最終的に自分の耳に帰ってきたりするから、売ってお金にするよりずっといいんです。

今回も出発前からNaとやりとりしていて、「ねぇこれもらってくれない?」と送ったのがこちらの写真。

山下達郎フリークで、レコードコレクターでもあるNaのことだから「もう持ってる」って言われちゃうかな?チョイスがベタだったかな?と思っていたら、「リー・リトナーは持ってる」と返事が。え?1枚だけ?笠井紀美子は知ってるかと思ったのに!そこでリー・リトナーを外して、

「じゃあ替わりにこの3枚からどれか1枚。どれがいい?」と訊いたら、「3枚とも知らないからジャケットの良さで選ぶよ。真ん中のやつ。」「オッケー。ビル・ラバウンティね。バンコクに着いたら連絡するよ~」

それを渡した時の様子がこちら。「いいジャケ写!」と言ってます。ジャケ買い同好会だ(笑)

その他に渡したのが「ギター・マガジン」。シティ・ポップを支えた名ギタリストの特集号。

僕も彼もギタリストですから、この辺はツーカーなんです。お互いグッとくる雑誌とかは同じ。

彼が好きな70~80年代シティ・ポップの譜面が山ほど載ってますから。

そしてオリジナル・ラブのCDを渡すと、Naが自分のスマホでYouTubeの画面を見せてきました。田島さんともう1人、ギタリストが共演してる映像です。「こっちの彼は誰?」と訊くんですね。「あー・・・長岡亮介だ。確かペトロールズの・・・」と、ここでうちの社長が「浮雲ならわかる?東京事変の」と助け舟。するとNaは「あー!シイナリンゴ!」と即答。「この人は凄いね。ギター凄い上手い。見入っちゃった」と。やっぱり日本の音楽、よく調べてるんですね。

以下、ランチトークを話題別に書き起こしてみました。

新曲について
Na : 今新しい曲を書いてて、日本語で歌う予定なんだ。Yuruの2人に歌詞を書いてもらってね。
山麓 : いいね!あの2人ならきっとメロディーの流れに合わせて、日本語として自然に聞こえる歌詞をつけてくれると思うから、楽しみにしてるね!

ソンクラン(タイのお正月)について
山麓 : 僕達ソンクランの時期もバンコクにいるんだけど、やっぱり外に出ると水かけられるかな?
Na : シーロム通りとサイアムはもうビショビショにされるよ。どこに泊まってるの?
山麓 : プラカノンなんだけど。どうかな?
Na : 気をつけた方がいいとは思うけど、一応ルールはあってね。水鉄砲も持ってなくて、アロハシャツも着てなくて、「かけないで~」ってムードを出してる人にはかけないんだ。ただ・・小さな子供はその辺がわかんないからさ(笑)

FEVER(タイの欅坂46と呼ばれているアイドルグループ)について
Na : DJ SonnyとBaifernには会ったの?
(※DJ SonnyはCat Radioの看板DJ。Naとはレコードコレクター仲間です。FEVERのメンバーの1人、Baifernは日本の80年代カルチャーが大好きで、松田聖子や中原めいこがお気に入り。僕はBaifernともやりとりして、彼女にもレコードを数枚あげることにしてDJ Sonnyに託したんです)
山麓 : DJ Sonnyには会ったから、レコードは渡してもらうようにしたんだ。Baifernと僕達はきっといつかレコードコレクター仲間になれそうだね(笑)
Na : そうだね。彼女はこの前POLYCATのライブに来てくれてさ。僕に会いに来たんだけど、ほら向こうはアイドルだからキャップとマスクで変装してるんだ。挨拶してくれたんだけど見た目そんなだから僕、わかんなかったんだよ!(笑)もし会ったら謝っておいてね(笑)
山麓 : わかった(笑)アイドルって大変だよね・・・。

チップチューンアーティストとしての活動とゲーム、そしてBNK48について
Na : SLEEPTWICEとしてM3に参加できたらいいなと思って計画を立ててるんだよ。
(※彼は上記名義でゲームボーイを音源に使った曲などを発表しています。M3とは、コミケの音楽版みたいな同人即売会です。YMCKさん等も参加されています。結局仕事が入ってしまい、M3参加は叶わなかったとその後聞きました)
山麓 : チップチューンいいよね。僕もゲーム会社にいたから大好きなんだ。
Na : そうなの?
山麓 : TECMOにいたんだよ。凄く昔だけど。ファミコンのNinja Gaiden(日本名 : 忍者龍剣伝)は知ってる?
Na : 持ってた!
山麓 : あの当時、TECMOが運営するゲームセンターのマネージャーだったんだ。仕事がゲームで、休みの日もゲームなんだ。給料が出ると全部ゲームに使っちゃってさ・・・
社長 : 今もスマホでBNK48のアプリで遊んでるの。遊んでる時は私の話を聞かないのよ(笑)
Na : (笑)握手会にも行ったんでしょ?
山麓 : そう!人生初の握手会。ハッピーだったよ~。そう言えばBNK48のメンバーにもPOLYCATのファンがいるよね?
Na : モバイルだね。僕のファンだって言ってる。あ、SPICY DISCのアーティストでThe Parkinsonって知ってる?
山麓 : うん。大人のソウル、って感じで好きだよ。

Na : 彼がモバイルの大ファンでさ。僕、彼に嫉妬されて「なんでお前だ~!」って首絞められたんだよ(笑)
山麓 : あんな渋い曲演ってるのに!(笑)BNK48って、本当に社会現象なんだね・・・。

と、こんな調子で60年代の洋楽ヒットがかかるしゃれたカフェで過ごしたランチタイム。彼は僕の渡したレコードを大事そうに抱えて、「またCat Expo 6で会おうね!」と言うと自転車に乗って帰っていきました。

こうやってタイのポップスターと、音楽の話だけじゃない色々な事をダラダラ(そう、外は暑いしお店は居心地が良いしでつい長々と)喋れたのは本当に貴重な体験でした。

ラジオで紹介したくてインタビューを申し込んでから3年。(この時は実現せず)
初めて会ってから2年。
雲の上の人みたいに思っていたNaとBNK48の話で盛り上がってるなんて、現実味がないような、でも夏休みに友達の家でグダグダしてるみたいな、そんな気持ちが混じった不思議な1日でした。ありがとう、Na!

コメント

タイトルとURLをコピーしました