はんなり系美人シンセポップ、Ink Waruntornを聴こう！

山麓園太郎です。今回ご紹介するタイポップスは女優としても活動する、Ink Waruntornです。

2018年の5月にはタイフェス東京にBNK48やEarth Patraveeと共に出演して、BNK48のファンも虜にしていました。歌声は透き通ったハイトーンに特に魅力があり、色白で京美人っぽくて日本人には親しみのわく顔立ちなんです。実際にタイでは化粧品のCMに出演したりしていますが、「あれ？これ資生堂のCM？」と思っちゃう位日本人っぽいんです。

彼女の歌の上手さがよくわかるこの曲「Old Feelings」のMVは、タイポップスで実はよくある「日本ロケ。それだけ。」スタイル。日本のアーティストでもマンハッタンを駆け回るとそれだけで絵になる現象の逆です。タイの人って特に自販機に凄く反応するんですよね。日本のカルチャーを象徴する機械なのだそうです。

実は僕は彼女の事をよく知らないまま、2017年にタイの音楽フェスCat Expo 4で見ています。この頃僕は大スターのSTAMPを名古屋のタイフェスに呼ぶ、という一大事に関してSTAMPから内定をもらっていて、丁度Cat Expo 4の直前に東京で彼と会っていたんです。
「ねぇ、Cat Expo 4でオススメは誰？」と訊いたら、僕がプリントアウトして持って行ったタイムテーブルに鉛筆で印を付け始めました。
「ボクはゼッタイみて。あとはInk。この子はシンセを弾きながら歌うよ。とてもカワイイ。」一番にSTAMPがオススメしたのがInkでした。もっとも、その後に「この子もカワイイ。この子も」って主に女の子中心にどんどん印が増えたんだけど（笑）

確かにステージに彼女が現れた途端に会場中からひと目見ようと人が集まってきて、これは彼女が女優としても活動しているからなんですが、人気の高さを実感しました。年が明けてFM豊橋「ラビット・アワー」でCat Expo４レポートを放送した際のメールでのインタビューがこちらです。

[Ink Waruntorn interview (2018.Jan)]

山麓 : デビューEP「Bliss」は、とてもチャーミングなシンセ・ポップ・アルバムですね。ステージではいつもRolandのJD-Xi（限定カラーの赤）を弾いていますが、自分で選んだ楽器ですか？

2018年のタイフェスティバル東京にて（撮影：山麓）横にある小さな赤いキーボードがRoland JD-Xi

Ink : はい。「ムー・ダン（騒がしい豚）」というニックネームもつけています（笑）。１台に様々なシンセサイザーの音が内蔵されているので（注：JD-Xiはデジタル+アナログのハイブリッド・シンセサイザー。Roland初のミニ鍵盤モデル、というコンパクトなサイズも選んだ理由かも）これを選びました。シンセ・ポップの曲をやるなら、ステージで演奏を完成させるためのプレイを付け加えたいし、ピアノも基礎は習いましたから。

山麓 : いつ音楽を始めましたか？

Ink：歌は８歳から始めました。父は歌う事が好きで、始めは父から教わりました。その後音楽学校に進ませてくれて、私も勉強が楽しかったから今まで続いています。チュラロンコーン大学の音楽科で声楽を専攻していました。

山麓 : 女優としても活躍されていますが、次の映画出演の予定等はありますか？

Inkの女優としての映画デビュー作「Snap」（2015）の予告編。友人の結婚式のため故郷に帰った女性が、高校時代の恋人と再会。彼女には結婚を考えている相手がいるが、スナップ写真のように蘇る思い出の数々が彼女を・・・というストーリー。同年の第28回東京国際映画祭でも上映されています

Ink : 今はこのデビューEPを完成させたばかりなのでまだ何も決まっていませんが、また機会があれば絶対にやるでしょう。

もう少し彼女のキャリアについて補足すると、もともと2006年、12歳でアイドル専門レーベル「Kamikaze」からChilli White Chocというグループのメンバーでデビューしています。いったん引退して学業に専念した後、6年ぶりに女優＆歌手として活動再開しているので、キャリアは長いけれどまだ24歳（2018年現在）なんですね。これからますます魅力が花開くお年頃、僕も彼女はこれからも追っかけていきたいと思・・・って早速この年のCat Expo５にも乗り込んだんですが、ステージは既に満員御礼でInkは米粒みたいに遠くて、新曲CDもとっくに完売でとても悔しかったです！彼女のデビューEPが凄く良いので、ぜひ聴いてみてください！